消費者金融やクレジットカード、そして銀行系のカードローンなど、複数の金融業者から借り入れを行っている多重債務者。
多重債務はブラックと判断される一歩手前の段階です。
今回は「カードで借り入れを行うときの注意点」についてお教えします。
お金を借りるということ
現在、消費者金融や銀行系カードローン、クレジットカードなどの金融業者からお金を借り、返せなくなっている人が増えています。
これらの金融業者はそれぞれに名前こそ違いますが、すべて「お金を貸しだす」ことを目的としています。
今ではインターネットが普及したことで金融業者へ融資を申し込む手続きが以前よりも簡易化されました。
しかし、逆に簡易化されたことが原因で借金に対してのハードルが下がってしまい、お金がない、お金が必要、といった事態におちいるとすぐに金融業者に借り入れを申し込むケースが増えています。
その結果、自分の給料や所得では借金を返済できなくなって自己破産などの債務整理を行うケースが珍しくありません。
次の項からは「金融業者ごとの金利の違い」および「お金を借りるときの注意点」についてご説明します。
それぞれの金融業者の違い
日本国内で個人がお金を借りようと思ったときには、消費者金融(いわゆる「サラ金」)か銀行系のカードローン会社、またはクレジットカードのキャッシング枠を利用して借り入れを行う必要があります。
これら3つの金融業者は一見すると似ているように見えますが、金利や審査の厳しさなどがそれぞれの業者によって異なります。
まず、消費者金融、いわゆるサラリーマン金融と呼ばれるサラ金業者と都市銀行などの銀行が母体となって運営している銀行系カードローンでは、適用される法律が違います。
消費者金融では「貸金業法」が適用されるのに対し、銀行系カードローンには「銀行法」という法律が適用されます。
なお、クレジットカード会社は日本の法律では貸金業者に分類されるため、消費者金融と同じく貸金業法にのっとった営業を行う必要があります。
総量規制について
消費者金融とクレジットカード会社が貸金業法、そして銀行系カードローンには銀行法が適用される訳ですが、この2つの法律のいちばん大きな違いは「消費者金融とクレジットカードには総量規制があり、銀行系カードローンには総量規制がない」という点です。
総量規制とは貸金業法によって定められた規制であり、借り入れ金の合計金額が「年収の3分の1を超えないこと」と規定している法律です。
このため、貸金業法が適用される消費者金融およびクレジットカード会社に借り入れを申し込む場合、年収の3分の1を超える借金は不可能となります。
それに対し、銀行法が適用される銀行系カードローンは総量規制の対象外のため、金額の上限に関係なく借り入れを行うことが法律上は可能となります。
じゃあ、銀行系カードローンが良いの?
年収の3分の1までしか借り入れできない消費者金融やクレジットカード会社と比べ、銀行法にのっとった営業を行う銀行系カードローンは法律的には貸し出し金額の上限がありません。
ここまで聞くと「じゃあ、銀行系カードローンの方が良いのかな?」と思いがちですが、銀行系カードローンは総量規制がない分、借り入れ審査が消費者金融やクレジットカードよりも厳しい場合がほとんどです。
銀行系カードローンによっては、非正規の派遣社員や勤続年数が半年以下の正社員の場合、それだけで審査に落とされてしまうケースも存在しています。
消費者金融とクレジットカード会社の審査基準
では、消費者金融とクレジットカード会社に申し込むときの審査基準は銀行系カードローンと比べた場合、厳しいのでしょうか。
結論から言いますと、消費者金融やクレジットカード会社は「無職の人には原則としてお金を貸し出していません」。
しかし、無職でも主婦や就職が決まっている学生などの場合には配偶者貸付を利用したり就職先の会社を提示するなどして借り入れが可能となるケースもあります。
急ぎの場合は貸金業者へ
審査が厳しい銀行系カードローンに比べ、消費者金融やクレジットカード会社は「年収の3分の1以下」という借り入れ金の上限額こそあるものの、審査については銀行系カードローンよりも比較的ゆるい業者が多いです。
このため、もし急場のお金が必要で正規社員ではない場合、手っ取り早くお金を借り入れたいなら消費者金融もしくはクレジットカード会社が第一の選択肢となります。
ただし、銀行系カードローンが年利で14.5%前後で貸し出しを行っているのに対し、消費者金融やクレジットカードのキャッシング枠の金利はほとんどの業者が年利「18.0%」前後に設定しているため、借り入れの際には年利を含めた金額をきちんと返していけるかを事前にシミュレートした上で利用するようにしましょう。
まとめ
金融業者を利用した借金は「返せるかどうか」をお金を借りる前に頭の中で計算しておくことが大切です。
事前のシミュレーションでもし返せないと判断したときには無理にお金を借りないようにしてください。
その上でもし、どうしてもお金が必要なときには金融業者以外のご家族や友人、知人などに頭を下げる覚悟を持つのも選択肢のひとつとなります。